夜を狩るもの 終末のディストピアⅡ meaning hidden

人類の終焉に死神が人類側に味方した物語
主道 学
主道 学

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公開日時: 2024年12月6日(金) 13:41
文字数:345

 聖パッセンジャービジョン大学付属古代図書館の館外は、轟々と鳴り響く雷鳴が街の至る所へ落下し、ゾンビの引き摺る足音に呻き声。この世の地獄が更に広がりつつあった。


 モートは強風もでてきたここクリフタウン内で、最後の聖痕の少女を探そうとした。赤黒い雹が降り続ける街で、街道を一直線に走っていると、ゾンビが異常に増えていることに気が付いた。それも尋常な数ではない。異常だった。そこで、ゾンビへの違和感がわかった。


 魂が酷く真っ黒なゾンビが混じっているのだ。漆黒ともいえる。その魂の色は、もはやこの世のものではなかった。魂の色からすると、おおよそ人がそのちっぽけな人生では、到底冒すことができない。罪よりも遥かに重い大罪だった。


「狩りの時間だ」


 モートは真っ先に、漆黒の魂のゾンビの群れの中へと飛び込んだ。


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