今日は水曜日。早く起きすぎてしまったか、少し眠い。
午前10時半にスマホのアラームをかけたことを忘れて、30分前に起きてしまった。
この30分が今日の日中の生死を分けるかも知れぬというのに。
もはや、僕に、逃げ場はない。
待っているのはありきたりなバッドエンドとは程遠い、穏やかな何かである。
僕は静かに目を閉じ、世界の真理に思いを馳せる。
過去の記憶が走馬灯のように流れ、僕のノスタルジックな思い出を想起させる。
やがてこの長い年月を経て、僕はもう一度世界と相対する。世界は何も変わらない。
つい今しがた想像したあの世界は、僕の単なる幻想に過ぎなかったのだ。
世界は今日も戯けた顔で僕に言う。
「君と僕は同じだよ。」
「いや、僕と君は同じではないよ。」
世界は何も変わることなく、今日も窓の外から、
改装工事中の重機の音が聞こえてくる。
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