剣と魔法と自由が織り成す世界。
それがこの世界の理でございます。
ある者は剣をとり、ある者は本をとり、凶悪は魔物と戦い、仲間と励まし合いながら進む毎日。
冒険というロマンにかられ、胸に希望を溢れさせた多くの若者が集う街、レディアン。
それが今私が住んでいる、それはそれは大きな街です。レディアン王国のお膝元のため、軍事力、規模、活気とどれをとっても国一番。
……あぁ、申し遅れてしまいました。
私の名はレイ・キャラハート、しがない侍女頭でございます。
冒険者の舞台となりそうなこの街をなぜ私のようなものが説明しているのか、不思議に思う方も多いでしょう。
仕方がないのです、私のかわいいお嬢様のご紹介をするにあたり、必要となるお話でしたので。
初めにいっておきますが、これは魔王を倒したりだとか、宝を見つけに冒険するだとか、チート無双して裏切り者ざまぁ!……のような展開のお話ではございません。
もしもそのような話をご希望なされていらっしゃるのでしたら……今すぐこのページをお去りください。
ご希望でない方の時間を奪うなど、誰も望んでおりませんゆえ。
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……去られていらっしゃらないようですので、このままお話しさせていただきますね。
私がお従えしておりますお嬢様、エリザベル・ラ・ルクシュアラお嬢様は、言葉では表せられないほど美しいお方です。
レディアンでも指折りの権力を持ったルクシュアラ侯爵家の長女にして后妃にもっとも近いお方。
将来はレディアン王国の第一王子、コルト・レディアン様とのご結婚が約束されております。
齢16にして学問もよい成績を納め、学園では魔法の特性も高く皆様から慕われております。
あぁ、学園とは聖ルチアーノ学園と申しまして、この街に住む魔力保有者は必ず入学しなければいけないシステムでございます。
よく耳にするシステムですので皆様もご存じかも知れませんね。
お嬢様は特に魔法の才があり、優秀な生徒しか名乗れないゴールドの称号を得た、選ばれた人間なのです。
お嬢様はとても素敵で素晴らしくて、人の上にたつべきお方。
そう例え……世間から極悪令嬢、我が儘の化身、悪女と言われようとも……。
「大変ですレイさん!!」
おやおや、どなたか私を呼んでいるようです。
悪役令嬢のお嬢様の事をもう少しお話ししたかったのですが……。それは後程皆様ご覧になられるかと。
それでは皆様、物語の中でまたお会いしましょう。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!