泣いている侑那は一人で寂しい思いをしているのですが
いつもなら父親と母親が慰めたりしてくれるのですけど、
今はいないのです。
「お父さんとお母さんに会いたいよ、会いたいよ~」
「どうしてこんな所にあたしはいるの? いつになったら
現実世界に帰れるのかな」
そんな侑那は泣きながら一人でとぼとぼと歩いているのです。
そんな侑那の前にさっきの可愛らしい妖精が来ると
「何だ、泣いているの?」
「泣いているよ、寂しいもんっ、ぐすんっ」
「私とお友達になる?」
「お友達……」
「どうかな?」
「なってもいいよ」
「私の名前はエリーズって言うのね、宜しくね」
「あたしの名前は侑那だよ」
「侑那って言うんだね、宜しくね」
侑那と妖精エリーズはお友達になるのです。
「ねえ、エリーズ、この妖精の国ってどんな所なの?」
「ん~、そうだね、まあ、子供にとっては良い国だけど、
あんまり長居しているとこの国から出れなくなるよ」
「そうなんだ」
「でも、さっきは戻れないって言ってたよね」
「それね、見つかると私もあぶなくなるから
本当の事が言えなかったの」
「そうなんだね」
「どうすればこの妖精の国から出れるの?」
「教えたいけど、今は我慢してね」
「う、うん」
とりあえず妖精の国フェリーアから出れるという情報を得た事で
侑那は安心しているとホッと胸を撫で下ろしているのですが
疲れたのか、その場で瞼を閉じて眠っているのでした。
「侑那? 侑那寝ているのね」
「どうしようかな、私一人じゃ運べないし、どうしよう」
「このままだと危険なヤツらに見つかると侑那は妖精の国から
出れなくなるし、本当にどうしよう」
妖精エリーズは本当に困っているようですから
一体どうするのでしょう。
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