良くも悪くも、星の回転は止まらない

詩集です。各話がそれぞれ一つの作品となっております。気になったページをめくっていただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

昼と夜とを映す空

公開日時: 2021年3月20日(土) 00:03
文字数:260

夕暮れごろから

空の様子は刻一刻と変わる

緑、桃色、むらさき、赤

くるりと回る星

万華鏡のよう


昼間は目立たない町明かりが

煌めきだす

静かな青の中の輝き


やがて空にも

ぽつりぽつりと

明かりが灯る


現れたのはオリオン座

止まっているように見えるけれど

星はいつでも舞っている


あの光は

彼方にある昼の輝き


こちらは夜

人の力では回せない

万華鏡の影の中で

遠い昼に思いを馳せる


あちらの昼は

何年前のものだろう

誰を照らしているのだろう


数えきれないほどの昼が

夜の力で現れる

私が知っている昼は一つ

夜は私の知らない昼を映し出す


地球の裏側の昼は

今 誰を照らしているだろう



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