葬式戦線ハンニャ・サガ

おじいちゃん、なにしてくれてんの
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◆◆【たのしい用語解説~弔問客・地上決戦編~】◆◆

公開日時: 2020年10月21日(水) 00:59
文字数:3,151







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        ※本ぺージは9話までのネタバレを含んでいます。


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・【間車市(まくるまし)】

  分類:地名/自治体名

  

 作中の主な舞台。日本国内に存在する都市。

 人口は、本編第0話時点で21万5612人。

 所在地についてだが、香川旅行のお土産を持ち帰れる(第1話参照)ので、少なくとも香川ではないことは確かである。

 市内には、鎖間院くさりまいんという寺院や、六門公園ろくもんこうえんという市民公園が存在する。

 塩垣一華しおがきいちかの通う大学は、住宅街からバス圏内。




・【日本(にっぽん)】

  分類:地名/国名


 本作品は、もっぱら日本語話者向けに書いている。

 そのため、「日本」の地理的・歴史的な説明は、他所に譲る。Web百科事典とか。

 なにかと災害や社会問題に見舞われる国だが、国家存続の危機はどうにか回避した。作中時代でも、21世紀初頭とさほど変わらない日常が流れている。

 本編第0話時点での内閣総理大臣は、中下正文なかしもまさふみ。選挙区は島根県第1区。




・【辺境(へんきょう)】

 分類:概念/地域名


 太陽系第三惑星が存在する宙域。「天の川銀河」の一部。

 宇宙・銀河基準では大した資源もなく、不便な場所という認識。

 外部からの観測が不安定で、厄介な種族に捕まったりするため、

 渡航するのは冒険か、一種の賭け事かけごとに近い。



・【ふたりはマスキュラ(ふたりはますきゅら)】

  分類:創作物/アニメシリーズ


 ナスカテレビ系全国ネットで絶賛放送中のアニメ。

 ギリシャ神話がモチーフで、メインターゲットは小学生女児・男児。

 戦神アレスの加護を受けた双子の少女戦士、“マスキュラ”と、嫉妬に狂う女神ヘラとの戦いを描く物語。シーズン1は全52話。本編第4話時点でシーズン2が放映中。

 メインキャストは烏間からすま八咫子やたこ鳥飼とりがいあかねの若手声優コンビ。



・【心霊テクノロジー(しんれいてくのろじー)/葬式工学(そうしきこうがく)】

 分類:概念/技術/学問


 物理的な世界の裏側に存在する「霊魂」定量的に立証し、再現可能なものとして扱う科学技術。作中宇宙において恒星間飛行を果たした種族の大半は、この段階まで科学を発展させている。


 ここでいう「霊魂」とは“生物の意識”のみではない。


 この宇宙に存在するありとあらゆる無生物の生成と破壊、ひいては熱量エネルギーの移動そのものから発生する情報が、心霊テクノロジーにおける「霊魂」として扱われる。

 それらは慣性系・重力系に蓄積され、適切に「葬式」を行うことで加工され、ときに固定化され、視覚可能なものとなる。特定の設備を用いれば膨大な運動エネルギーを霊界から取り出すことすら可能になるため、タービンを回しての発電も可能。


 挙句、実態と質量のある物体を“霊の内側”に一時的に格納することさえ技術的に可能となった。

 ここから、「実体弾の素通りさせる幽霊装甲」と「同じ素材で装甲を成仏させ、る武器」が生まれ、「心霊兵器」が宇宙戦争の主役となった。


 「間車市の存在する地球」では未だ仮説・信仰の段階にとどまっている。

 しかし、現代物理学で確かめられた「量子論」、「不確定性原理」、「観測者効果」、「事象の地平面」などと「霊魂」は密接な関わりがある。




・【葬儀屋(そうぎや)/葬祭業(そうさいぎょう)】

 分類:職業/業種


 主に遺族の依頼を受け、葬儀・祭事を執り行う業種と、それに従事する人々。

 日本には民間資格しか存在しないが、北米で名乗るには国家・州の公的資格が必要。

 

 寿命と死、そして宗教の概念を持つ種族は数多いので、宇宙にも仕事は存在する。

 宇宙を股にかける業者の場合は、単なる祭祀に終わらず、葬式工学を修めておくのが無難とされる。心霊テクノロジーに通じたクライアントを相手取る場合、死者の霊魂を適切にパッケージングし、要求に応じて封印、または転送することが求められるためだ。

 そうした一部の宇宙葬儀屋は、様々なニーズや危険に備えて、仏法僧やパイロット、更には戦闘員を兼ねている場合もある。



・【ワルキューレ(わるきゅーれ)】

 分類:種族/職業

 

 地球の北欧神話に登場する、主神・オーディンの使い。

 別名「戦乙女」「ヴァルキュリヤ」とも。

 ロマン主義芸術やサブ・カルチャーにおいて、人気の題材。


 女性の姿で戦場に現れては戦死者の魂を集め、「ヴァルハラ」と呼ばれる宮殿で歓待する。

 彼女らの集めた戦士たちは「エインヘリャル」と呼ばれ、最終戦争「ラグナロク」に備えて訓練に明け暮れる。

 幾人かは女神と共通の名前を持ち、白馬やカラスとも関連付けられる。

 ワルキューレの一員として伝わる名前は「スクルド」「レギンレイヴ」「ゴンドゥル」などが挙げられる。


 本作では、「平行世界の太陽系第3惑星」に発生した野蛮な種族がこの名で呼ばれている。進攻した星々において、「ワルキューレ」と名乗ったためである。

「間車市のある地球」の住民とは、生物学的に似通った種族。

 恒星間飛行の技術を確立しており、統一国家と母権社会を築いている。


「辺境」に他の種族が寄り付かない理由の一つ。

 “葬式工学”を含む技術力や前のめりな国民性もそこそこ厄介だが、その真の恐怖は彼らが操る「言語」にある。


 なお、当人たちにとっての「ワルキューレ」という単語の意味合いは、

「役人」「徴税官」「警備兵」「外交官」「研究員」「高級官僚」を一緒くたにしたもの――――つまり、「公務員」に近い。



・【巨人(きょじん、ヨトゥン)】

 分類:概念/種族


 読んで字のごとく、「巨大な人」。怪物の一種とされてきた。

 世界各地にその伝承が残っており、北欧神話では神族の敵とされる。


「ワルキューレ」たちはこの言葉を拡大解釈しているようで、そのニュアンスは本来の語感から大きく外れている。


 主に、粗野、横暴、大雑把、異端などを指し、侮蔑・揶揄する目的で使われる。

 あるいは単に、“自国に敵対的な勢力”を指す言葉としても多用されている。

 つまり、「ぶきっちょで乱暴でいけすかないものはみんな巨人!」ぐらいの意味。


使用例:「味噌汁に塩を入れすぎて、巨人的な味わいになった」

    「この作品は鬼やら宇宙人やらが出てきて、世界観が巨人的だ」



・【鬼(おに)】

 分類:種族/伝承


 昔話や伝説でポピュラーな種族。

 頭に牛のような角を持ち、虎の毛皮を纏い、怪力を発揮し、人を食う。

 中国語においては、「死者の魂」を指す。


 本作における鬼とは、「生まれながらに霊の身体を持ち、『地獄』『冥界』と呼ばれる異空間に住む存在」である。地獄の地域によっては、「悪魔」「餓鬼」「獄卒」などとも称する。

 通常、生者には触れる事も見ることもかなわないが、死して霊魂となった亡者となると、話は別。多数の鬼たちが、特に“罪深い亡者”を裁き、罰することに存在理由を求めている。

 

 物理的な実体や干渉力を持たないのは上述の通り。

 ただし、“一定規格の記録媒体”に宿ることは可能で、“機械的な義体”を操り、生者の世界で活動することが最近になって実現した。



・【閻魔帳(えんまちょう)】

 分類:設備/古代の遺産


 地獄に存在するオーパーツのようなもの。

 地上全ての人間の悪行や死期を絶えず出力する、古代のデータベース。

 鬼社会では、「百目の鬼の百人体制」と呼ばれる専門グループが解読と再編集を行い、凶悪亡者たちの把握に努めている。


 時には、思わぬ情報を鬼たちにもたらすこともある。

「コンビニ強盗」の罪状で、「コンビニ」の存在を知ったりとか。




・【ロボットアニメ(ろぼっとあにめ)】

  分類:創作物/ジャンル


 日本で古くから愛されている大衆芸術の一ジャンル。

 老若男女が巨大ロボットに乗り込み、戦う物語。

 同ジャンルでも、各々の作品の設定と物語には様々な個性や例外がある。


 夜の市街を舞台にした“巨大幽霊事件”は、これの一シーンに近い。






 

  

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