女子校で百合百合していた好き好き言ってくる親友が先輩に何故か突然NTRたけど、過去に戻れたからVtuberになって取り返す

~ヤンデレの元カノに身バレしないかヒヤヒヤです~
戸津坂京介
戸津坂京介

第1話 女子高生の掉尾の飾り方

公開日時: 2021年12月25日(土) 22:31
文字数:7,478

クリスマスということで寝取られものの作品を投稿しました!

ハッピーエンドですよ!

彼女のちいさな身体には、はちきれんばかりにライセンスが詰まっているんだと思う事がある。


言いたいことをすぐに言ってもいいライセンス。人の話を遮っても嫌な顔をされないライセンス。あとは、話が全然つまんなくても有難がられるライセンス。彼女の可愛さならきっとホワイトハウスは顔パスだし、彼女ほどの愛くるしさがあれば最新機種が出る度にiPhoneを買い換えることだって可能だろう。


だから。そんな彼女が「許されるなら…」から会話を始めたときは意外だったものだ。

重い話かと思って身構えたもしたが、期待していたよくな人生相談が続くことはなかった。


「許されるなら、Vtuberになってみたいんだよね」

どうやら彼女、播川瑞羽はりかわみずはは世間話をご所望のようである。

興味を示さない私を見ると彼女は前に躍り出て、視界を占領しようとする。


「ねえ、ってば」

「ごめんだけど、Vtuberって知らないからなんとも。許可とかいるやつなの?それ。」


私達の会話はいつも彼女の先導で行われる。それは話題の面でもそうだし、彼女が一歩先で大振りのジェスチャーをするのもいつものことだった。


ぺたぺたと歩きながら、私に一杯一杯好きなものを伝える姿が可愛いのだ、彼女は。


「ええ!オソノイ!Vtuber!知らないの!本当に!」

オソノイは私の名前ね。


彼女が上半身をひねって私に驚いた顔を見せようとする。

生来声が小さいのか、どれだけ感情を顕にしても騒がしくならないのは彼女の才能だと思う。

もし私が本気の声量でこれだけ感嘆符を並べたら瑞羽ちゃんの耳が死ぬし、私達の学校に苦情が押し寄せることだろう。


「いやぁ、名前はみたことあるけどさあ。詳しくは知らないかな」

見なくても生きていけるし、とまでは言わない。

だって、好きだから語りたいです!って顔してるし。


私の言葉を聞き終わらないうちに、彼女はスマホの操作を始める。

「じゃあさ、おすすめの子がいるんだけど…」

アニメ絵の美少女を移した画面が私の前に差し出される。ご丁寧に布教用の動画を用意していたようだ。


「URL送ってくれれば見るよ」

「それじゃあ、本当の反応が分かんないんだよなぁ」

「別に…忖度とか、するつもりないよ?」

「あ、忖度って前に流行った奴だよね!」

嬉しそうに言う。彼女の語彙は流行にサジェスト汚染されてしまっているらしい。


加えて、彼女の見せてくれた動画はホラー映像にアニメの女の子が大声で喚くといった内容のもので、残念ながら私の琴線に触れるものではなかった。


「でもさ、瑞羽ちゃん私がハマった頃にはもう飽きてるじゃん。だから私もハマりづらいっていうか」

ただし、口には出さない。これが忖度である。


彼女が飽きっぽいというのは本当で、SNSも彼女に勧められて始めた数日後には別のアプリに移ったらしかった。意味がわからない。


「私が飽きるまででいいからぁ」

「駄々っ子みたいな物言いしないの。そもそもいつからハマったのさ。」

「今朝」

「ざけんな」

「えええ、なんでぇ」


震え声と共に150cmほどの体躯が縮こまる。物言いも相まって本当に子供みたいだ。別に叩いてないというのに、かわいいおでこをさすっている。


そんな彼女を茫漠と眺めていると、「それよりさ」という言葉が口からぽろっと吐いて出た。

彼女は私が強引に会話を遮る事態が貴重だからか、居住まいを正して目をパチパチさせた。


「それよりさ、明日一緒に登校しないで、朝会の20分前くらいにあそこの空き教室で待ち合わせしない?」口に出すと、身体がスッと軽くなる感じがした。


「大事な話?」

「大事な話。」


一度口から出たならもう、躊躇することはなかった。と、そこで慌てて付け加える。


「あ、当たり前だけど告白とかそういうんじゃないから」

これはふざけているのではなく、私達の通っている女子校では可愛い系も需要が高いのだ。

かっこいい女子はもちろんモテるが、可愛い系も普通にモテる。


「分かってるよぉ。あ、でもオソノイに告られたら即、おっけーだから」

「前なんか告られてなかった?後輩に」

高校二年生になってから彼女の可愛さには磨きがかかったし、先輩補正もあって把握する限り三人以上の後輩に告られている。

特に、子供っぽかった肩で切り揃えたふわふわの金髪も、おでこを出すように結ってからは大人っぽさが増した。


「お友達からってお願いした!」

「そう」

「後輩のお友達できるか不安だったけどさ~。万事万全!」

その万事万全は一時のものだと思うけど。


彼女は本当に変わった。高校一年の頃は毎日ぴったり張り付いてきて、電話も毎日してきていたというのに、ここ半年にかけてそういったことはなくなったし、物思いに耽る時間が長くなったように思える。私離れが着実に進行しているといえるだろう。


徐々に道が騒がしくなっていく。私が一抹の寂しさを感じている間に、私達はすっかりブレザーの群れに囲まれていた。もうすぐ、学校に着く。

「じゃ、ここで」

「うん、またね」


彼女は話している最中ずっと私の方を向いていたが、別れを告げるとタッタッタッと走っていた。

そうなると彼女はもう振り返らない。


私は校門の前で立ち止まり、かばんの紐を握りしめる。木枯らしが一人になった私を狙い澄ましたかのように吹きさらした。


私は目立たないように立ち止まり、校舎を見上げた。今日がだと思えばこそ、普段の校舎もなんだか目に焼き付けなればいけないような気がした。


明日、10月20日は瑞羽ちゃんに私の死期を告げる日だ。


XXX


一年の余命が宣告されたときには「え?私死ぬの?」といった感じだった。

両親も演技が下手な癖して明るく振る舞っちゃって、安いホームドラマを観ている気分になっていたことを覚えている。


それなりのイベントではあったのだが私は、自暴自棄になるでもなくちょっぴり退屈になった普段通りの生活を続けている。


悲劇のヒロインには周囲の理解が必要不可欠であり、そのためには自分の病状の説明をする必要があった。それが億劫でたまらず、私は何も決断することなく時が経つ事を待ったのだった。


私の病気には、たまに起こる発作以外に目に見える症状がないというのも日常生活を続けている理由だったりする。


しかし、そんな私の日常生活続行計画はすぐに無理が生じた。なんと周囲に病状を解説することよりも学校の授業を受け続ける方が遥かに面倒くさかったのだ。それでも休まなかった理由はひとえに、休んだらきっと瑞羽ちゃんから電話がかかってくるからであろうという憶測の恐怖からである。


打ち明けずに過ごしてぽっくり逝く作戦と、打ち明けてしまって後は寝て過ごす作戦。私は散々悩んだ末、後者を取ったということだ。


そのために、播川瑞羽にどのようにして自分の病状を穏便に伝えるかという問題が、余命宣告を受けた私の目下の悩みであった。死の間際になって自分はなんて卑小な存在なんだとも思ったが、残された時間が自分の人生の清算のためにあるとするならば、私の負債といえばそんなもんなんだろうなという気もしていた。


何度も繰り返してきた回想と思案が終わると、ちょうど授業が終わる時間だった。


最後の授業じゃ私がもう二度と来ないとも知らずに、教員の方々がテストの範囲を告げていた。なんとなくノートに書いちゃったりして。


授業が終わる。窓際の席から望む峰々に真っ赤な夕暮れが姿を隠そうとしている頃、放課後を迎えたクラスはにわかに騒がしくなっていく。


そんな中、いつものように瑞羽ちゃんが私のクラスにやってきた。


「オソノイ!テスト教えて!」ふわふわの金髪が跳ねる度にくらげのように弾んでいる。


私は受けないんだっつーの。言ってないけど。

「ごめん。ちょっと無理かも」

「土日は?」彼女は驚いたように顔をカバッと上げた。とんでもない暇人だと思われているらしい。


「あー。無理、かな」

確かに予定はないんだけど、もう勉強はしたくない。


しかし目が泳いでしまっていたのか、彼女は私にグイッと顔を近づけた。

「ええ!今朝も思ったけど、最近ちょっと様子おかしくなぁい?」

察しがいいのはありがたいが、TPOのPの部分が彼女は致命的に欠けている。みんな見てるんだけど。


彼女はSNSに熱心な癖に学校ではいつも私と一緒にいるから、いつもちょっとしたレアキャラ扱いを受けている。「この前の投稿見たよ~」と知らない誰かが突然話しかけてきて疎外感を感じたのは一度や二度ではない。


いたたまれなくなり、立ち上がる。

「別に変じゃないし、いつも通りでしょ。明日の約束、忘れないでね。それじゃ。」

この場で事情の説明などできようはずもない私は早々に会話を切り上げて出て行ってしまった。

背後で「えええ!絶対変だって!ちょっとオソノイ!待ってよ!」と喚く声が聴こえたが、教室を飛び出す。


明日の約束を取り付けられたことで、私の肩の重みはとっくに振り払われていた。実を言うと明日以降のことは何も考えていなかったのだが、何か人生が変わるような、そんな気がしていた。


とにかく学校と家とのループから抜け出したい。そんな気持ちで、私は校門から早足で飛び出したのだった。


XXX


家に帰ると両親は普段通りに暮らしていた。心から幸いなことに、人が死にかけでもテレビは面白い。余命宣告当初は暗かった家も、半年間もバラエティを流すと、自然と淀みは薄れていった。


「お母さん。明日学校早く終わるかも」私は夕飯の席で、母に打ち明けた。

「どうしたの?」

「早く帰りたい」

「何かやりたいことがあるの?」母の質問攻めはいつも尋常じゃない。

「別にないけど」

「やりたいことがないなら行っておいて方がいいんじゃないの?」

何がいいんだろうか。私は高校でほとんど勉強しかしてこなかったんだけど。そんな私にとっては貧者の一灯であった勉強も、私自身が風前の灯火になってしまった今意味を成さなくなっている。


母やたらと学校に行かせたがるのは自身の良い経験からだろうが、私には関係のない話のような気がする。もう一年半通ったしな。難病ヒロインと高校で出会うラブコメもあるとはいえ、我が甘王寺かんのうじ高校は女子校だし、ラブコメはフィクションなのだ。


「家でのんびりしたくなった」

「瑞羽ちゃんには話したの?」

「明日話す」正直に言いすぎたか?


「なら…いいけど」

いいんかい。こんな簡単に学校をサボれるのならもっと早くに打ち明ければよかったという後悔が頭を掠めたが、それより今は安堵する。


すると、今まで黙っていた父が口出しをしてきた。

「学校がないならお父さんとどっか出かけるか?」努めて優しそうな声でいう。

「嬉しいけど、ちょっと休みたいかな」私が申し訳なさそうな声音で言うと、「そうか」と少し大きめな音で食器が鳴った。


我が家は基本的に反抗期は禁止だ。禁止というか今のような一言に年頃の女子っぽく「お父さんと出かけるの面倒くさい」と正直に言おうものなら普通に拳骨が飛ぶ。でも実際のところお父さんと出かけるくらいなら、学校で受けもしないテストの範囲を聞いていた方がマシである。


食事を終え、「ごちそうさま」をした。ご飯を普通に食べられる病であったのは幸いだが、だからこそ半年後に死ぬ人間であってもも皿は水に浸けておかないといけない。私の場合多分入院するのは死ぬ直前だから、死ぬギリギリまで皿を水に浸けるんだろうなと思うと気が滅入る。両親もきっと「もうすぐ死ぬから食器浸けなくていいよ」とは言いづらいのだろう。全然言ってくれてもいいんだけどね。


二階のベッドにこもるとスマホのアプリを開く。入っているのはYoutubeとTwitterとLINEだけ。全部瑞羽ちゃんに教えて貰ったアプリだ。特にLINEを教わったときは


「知らないの!えー!!!知らないの!えー!知らないの!」をループしていた。二日間はこんな感じだったと思う。


いつもは時間の許す限りしているYoutubeの巡回も明日から好きなだけ引きこもれると思うと憚られ、思考は勝手に翌日の告白の方向へシフトしていく。


友人なんだから普通に打ち明けられるはずなのに、脳は自動で会話の予行演習を始めてしまう。

優しい瑞羽ちゃんがショックを受けて泣く姿、強い瑞羽ちゃんがすぐ立ち直って「残り一年いっぱい楽しいことしようよ!」とか言っちゃう姿。ちょっとアホな瑞羽ちゃんが、私の気持ちも考えずに「知り合いを呼んでパーティーしよう!」とか言い出しちゃう姿。


想像をしていると徐々に目頭が熱くなってくる。余命宣告を受けたときでさえ、泣かなかったというのに、きっと私にとって死より友人の悲しみの方が実感が伴っているのだろう。


まさか妄想で泣くことになるとは思わなかったけど、それからの二人を考えるとそれはきっと、幸せなんだろうと思えた。


私は少しこれからのことを考えると、明日泣き腫らした瞼で告白してしまってはドン引きだなと思い、早々に意識を手放すことにした。


XXX


迎える10月20日。


普段より朝早いこともあってか、肺に新鮮な空気が入ってくる感覚がよく分かる。この感覚はあれだ。店長以外のバイト全員に仕事を辞めると告げて、もう後に引けない状態にした日に近い。気分は腹が据わった突撃隊である。


校門を通過すると、グラウンドでは運動部の朝練が終わろうとしていた。早めについても人はちょろちょろ見受けられた。


「おーい。オソノイ。何やってんだ」

クラスメイトAが声をかけてくる。どうやら何らかの運動部あがりのようで、よく焼けた頬が仄かに紅潮していた。私が彼女について知っている事はいつもお菓子を食べ、そのゴミを鞄に詰めていることくらいだ。誰も指摘はしないが誰もがゴミ箱あるんだから使えよと思っているはずである。


彼女のオソノイ呼びは瑞羽ちゃんを真似たもので、最初は面白がっていただけだったけど、一年ですっかり標準装備になってしまっている。


「今日は播川は一緒じゃないのか?」

「いつも一緒というわけじゃないよ。もちろんね」と返す。

するとクラスメイトAは「さっき播川が登っていくのも見たんだけど」、とにやけながら続けた。

校門を見ていないでちゃんと部活しておいて欲しかった。そうか、瑞羽ちゃんはもう来ているのか。


「なんか密会があるんだったりして?」と笑いながら言ったクラスメイトAはもちろん、私をからかっている。


私が「ああ、誰かと思えば小林さんか」と軽口で話題を逸らすと、クラスメイトAこと小林さんは「今までなんだと思ってたんだよ」と気持ちよく返してくれた。


今まで彼女と軽口をしたことはなかったんだけど、気にせず返してくれたってことは、ずぼらだけど、いいやつなんだろうなあ。


彼女は話題に困窮したのか、後輩と思しきジャージの生徒の群れを遠目に見た。しかし一変、小林さんは真面目な顔を作って私に向き合った。


「なんかさ、播川さ。変わったじゃん。あれ、オソノイのおかげだと思うんよな」

顔は真面目なのに目は空を向いていて、言いづらいことであるだろうくらいはなんとなく察せられた。


「そんなことないよ。むしろ変わってなさすぎて大学どうすんだって感じ」

これは半分嘘で半分本当、彼女は可愛くなったし、大人っぽくなったけど、内面のホワホワは全く変わっていない。すると小林さんは「中学と比べての話な」と言う。確かに、私は彼女の中学時代をほとんど知らない。


瑞羽ちゃんの中学時代はどんなだったのだろう。きっと近隣ではチワワと人気を二分していたに違いない。


と、そこで思い至る。「てか、小林さん中学違うよね」そういえば、と私は詰め寄った。


「知ってたんだよ。Twitterで」と小林さんは言った。私達は一応デジタルネイティブ世代というやつで、産まれた時からSNSと共にあった。


とはいえ、私みたいに産まれた時代を間違えたアナログ人間もいるのだが。


そこまで思い至った私は気分が良くなって考えた。うん。小林さんになら、私が去った後の瑞羽ちゃんを任せてもいいかもしれない、と。友達の多い小林さんがいればいつも私にひっついている瑞羽ちゃんのことも少しは安心できるというものだ。


「じゃあさ、瑞羽ちゃんと結構話したりするの?」

「そりゃ、まあたまにはだけど」

「これからも仲良くしてやってね」

「急にどしたん」小林さんは明らかに不審そうだったが、脳内で勝手に会話を切る為の発言と肚に落とし込んだようで、「じゃあな」と言ってくれた。


私が踵を返して「じゃあ、また」と校舎に向かうと、彼女は「待って」と呼びかけた。


振り返ると彼女は「頑張れよ」と右手を掲げた。明らかに彼女は何か下世話な誤解をしていたが、二度と学校に来ないであろう私は訂正するのも煩わしく

、右手を掲げ正面入口に突入したのだった。


約束した空き教室は私達が普段使用している二年生のクラスが収められている廊下の先にある。正直秘密の場所というほどでもない。わざわざ入る必要もない場所だから誰も来ないというだけだ。


我が校では、人気のない場所はすぐにになってしまう。一年の頃は二人で屋上にたむろしていたのだが、後からやってきたカップルが堂々とイチャイチャし始めてしまい、照れながら逃げ出したのだった。カップルの強さはどれだけ盲目になれるかで決まるのかとその時は思ったものだ。


そんな訳で、二年Hクラスは私達がようやく見つけた安寧の地だったのだ。本当にただの空き教室なんだけどね。階段を登りながらも、スマホで時間を見る。少し早いがもう彼女は来ているらしい。


気づくと、どうやら私の心は弾んでいるようだった。昨日のシミュレーションが成功したからな。


だけれど、二階まで駆け上がり教室に近づくと、何やら慟哭のような声が聞こえてきた。この時間帯に誰かがクラスにいるというだけでおかしいのに、どうやらその声は二年Hクラスから届いているようだった。


何かを強く拒絶して、それでいて泣いているような声。片方は瑞羽ちゃんとして、二人いる?


私は少し足取りを緩やかにし、足音を立てないように歩きだした。彼女が一人で来ていない理由が分からず、教室の脇で私はしゃがみこんだ。


「私をオソノイのいないところに連れて行ってください」これは瑞羽ちゃんの声?


動揺した私が教室を覗くと、瑞羽ちゃんの後ろ姿と、知らない誰かが抱き合っている姿が見えた。何者かは長い爪を瑞羽ちゃんの背に突き立てて、強い情欲を露わにしている。


二人は顔を近づけていく、瑞羽ちゃんにも嫌がる素振りはない。私が脚を縛られたかのように目を離せないでいると、瑞羽ちゃん越しに蛇のような瞳が私を嗤っているのがみえた。

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