パーティーから出て行く事になった俺は、日本人転生者のヒロインと一緒にハンバーガー屋を開業した

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ハンバーガー

公開日時: 2020年10月3日(土) 21:00
文字数:1,794

 厨房に入った俺たちは、店長が恐らく今日店で出す予定だったであろうテーブルに置いてある食材を見てると店長はこう言った。


「今からこの食材を使って自分が一番得意な料理を作るんだ、使いたい食材が足りないときはキリヤの奴を使っても構わん、制限時間はない、とにかく俺たち2人に客に出せる力量の一品以上を出すことが条件だ」


「わかりました」


 店長が出した食材とルールに返事したカオルはすぐさま食材と厨房の器具をマジマジと見つめ一言。


「鉄板もあるんですねここは?」


「お前がどういう店を出したいのかは聞いていないが、この店はまあ定食屋だからいろんな料理を出せるようにオーブンや鉄板を設置してるんだ」


「なるほどですね、それじゃあいろんな料理を作れるんですね」


「大抵はな」


 店長と話し合い厨房の設備を一通りみたカオルはなんの迷いもなく牛肉の塊とレタスとトマトに丸いパン、それにジャガイモや調味料複数を掴み取り調理を始めた。


 俺はカオルが料理が出来ると聞いた時は、初めは実家が料理屋で仕込みも手伝ったと言っても家庭料理程度の物しか出来ないだろうと期待はせず、勝手にそう思い込んでたがそんな偏見はすぐ拭い去った。


 カオルの包丁さばきは素人の俺でも一目で解るぐらい上手かった。


 速くて、的確で、迷いがない、彼女の料理が得意て発言は戯れ言ではなく本当のようだ。


 そう感心して眺めているともう野菜類とパンが全て切り終え、今度は牛肉を切り細かく切り始めた。


 細く切るというより、どちらかというと叩き切るに近い事をしている。これはひき肉にしているのか?


 牛肉をひき肉にしたらそれを今度何も入れずにそのままこね始めた。


 ひき肉が一通り纏まるとこれをヘラで均等に4分割し、丸めたと思ったらすぐにそれらを円盤型に形成した。


 肉を形成すると次に調味料に手を出す。各調味料を計量スプーンでしっかり量ると小さな深鍋に入れ、火を着けて一煮たちする。どうやらソースを作っているようだな。


今料理を作っているカオルは料理に真剣に向き合ってる顔をしている。さっき俺たちに見せていた( ・◇・)←こんなアホみたいな顔をしていたとは到底思えない!


カオルはソースが出来上がると鍋の火を止めて鉄板に火を入れると油を鉄板に敷いて馴染ませると、その上に肉とスライスしたトマトと切ったパンの断面を置いて焼いていき、棒状に切ったじゃがいもはソース作りに使用した深鍋より大きい油が入れてある鍋に入れて揚げた。


鉄板と接してる面がちょうど焼けるとパン以外はひっくり返してもう片面焼いて、揚げたジャガイモは鍋から取り出して一旦置くと、また鍋に入れて揚げた。これは俗に言う二度揚げなのだろうか?


焼き上がった具材は鉄板から離してそれらを焼いたパンの間に挟んだ。下から順にレタス、肉、トマト、肉、とそして最後に肉の上にソースを塗った。


二度揚げが終わったジャガイモを上げて油を取り塩を振り、出来上がった2つを2枚の皿に別けて載せると完成した。


カオルが作ったのはハンバーガーとフライドポテトだった。


「さあ食べてください!私の得意料理を!!」


「ハンバーガーとポテトか」


店長が呟くと俺と店長は顔を合わせ、出されたハンバーガーを手に取り口にした。


「美味い!これ結構美味いぞこれ、なあ店長!」


「ああ、文句が無いぐらいにうまいな、カオルお前の作ったハンバーガーは絶品だ」


俺たちはカオルが作ったハンバーガーを絶賛して褒めるとカオルは両手を握りしめてガッツポーズした。


「でも美味いのは分かったが金はどうするんだ?」


「そうだった」と俺の発言で糸の切れた操り人形のように落ち込む、テンションの上げ下げ激しいな!


落ち込んてるカオルに店長が励ました。


「金を稼ぐところなんざ何処にでもあるぞ、今からクエストに行って稼きに行ったらいいだろ?部屋はここの空き部屋で良かったら泊まっても構わないぞ」


「それ、本当に良いんですか!?」


「良いんだよ、何だったら店まで貸してもいいんだぞ、貸賃は売り上げの3パーセントでよろしくな」


「て、店長さんありがとうございます!!」


 店長の気の利いた計らいでカオルは驚くも喜びながら頭を下げて礼をした。


「それじゃあカオル、今から俺と一緒にクエストに行って稼いで行こうか?」


「はいお願いしますキリヤさん!」


 俺は自分の泊る場所と店の確保が出来たカオルとクエストをしにもう一度役場に行くのであった。

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